湿気の多い夏、ギターを湿気から守るポイント

梅雨から夏にかけての日本は、湿度が高くなる季節です。この多湿な環境は、ギターにとって非常に過酷なコンディションといえます。なぜなら、ギターの主材料である木材は湿度の影響を受け、コンディションが大きく左右されるからです。

 

適切な湿度管理を怠ると、演奏性や音質が低下するだけでなく、楽器に深刻なダメージを与えかねません。本記事では、湿気がギターに及ぼす影響と、大切な楽器を守るための具体的な管理方法を解説します。

 

なぜ湿気対策がギターにとって重要なのか

ギターにとって湿気対策が非常に重要な理由は、過剰な湿気が楽器全体にさまざまな不具合を引き起こすからです。

 

ギターに最適な湿度は45~55%といわれますが、日本の夏の平均湿度は70%を超えます。この過剰な湿気を木材が吸収すると、まずネックが弦側に反る「順反り」という症状が発生しやすくなります。

 

順反りすると弦高が上がって弾きにくくなり、音詰まりの原因にもなります。アコースティックギターの場合は、ボディトップが膨らんで音がこもったり、最悪の場合はブリッジが剥がれたりする危険性も考えられます。

 

さらに、影響は木部だけではありません。フレットや弦などの金属パーツにはサビが発生しやすくなります。また、高温多湿の環境はカビの温床となり、ケース内やギター内部にカビが生えると、楽器の価値が著しく損なわれます。これらのトラブルを防ぐには、適切な湿度管理が欠かせません。

 

ギターを湿気から守るための具体的な管理方法

多湿な環境からギターを守る鍵は、「保管方法」と「アイテムの活用」にあります。

 

もっとも効果的な保管方法は、気密性の高いハードケースに入れることです。ハードケースは外部の急激な温湿度変化からギターを守ります。ギタースタンドに立てて保管する場合は、エアコンの除湿機能や除湿機を使い、部屋全体の湿度を45~55%に保つよう心がけましょう。その際、エアコンの風がギターに直接当たらないよう注意が必要です。

 

次に、湿度管理アイテムを積極的に活用することをおすすめします。ケースの中には必ずギター用の湿度調整剤を入れましょう。ただし、効果は永久ではないため、定期的に交換することを忘れないでください。

 

また、現状を正確に把握するために、ケース内や室内に湿度計を設置することも大切です。湿度を数値で確認することで、適切な対策を講じやすくなります。

 

そして、日々の手入れも忘れてはいけません。弾き終わった後は、必ず乾いたクロスで弦、ボディ、ネックを拭き、手汗や皮脂を落としましょう。この一手間が、サビや劣化を防ぐことにつながります。

 

適切な湿度管理でギターのコンディションを保とう

高温多湿な日本の夏を乗り切るためには、日々の細やかな管理が欠かせません。湿気がギターに与えるリスクを理解し、適切な対策を講じることが、楽器のコンディションを保つ上でもっとも重要です。

 

今回紹介した3つのポイントを実践することで、トラブルの多くは防ぐことができます。大切なギターを常に最高の状態で長く愛用するために、今日から湿度管理を始めましょう。

 

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